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SoftEther 仮想 LAN カード

SoftEther 仮想 LAN カードは、SoftEther 仮想ネットワークに接続するコンピュータにインストールする仮想のデバイス ドライバ ソフトウェアです。OS (Windows) からは物理的な LAN カードと全く同様に認識されるため、仮想 LAN に接続した後はすべての通信ソフトウェアで自由に通信を行うことができます。

SoftEther 仮想 LAN カードとは

SoftEther 仮想 HUB が SoftEther システム上の「サーバー」であるとすれば、仮想 LAN カードは「クライアント」ソフトウェアということになります。

SoftEther 仮想 LAN カードは、SoftEther 仮想 LAN に参加 (接続) したいコンピュータにインストールするソフトウェアです。仮想 LAN カード ソフトウェアはデバイスドライバとして実装されており、Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003 にインストールすることが可能です。同時に、仮想 LAN カードはシステム サービスもインストールします。

SoftEther 仮想 LAN カード ソフトウェアをインストールすると、Windows のデバイス マネージャに、上図のように「SoftEther 仮想 LAN カードアダプタ」が追加されます。SoftEther 仮想 LAN カードアダプタはカーネルモードで動作する仮想的な LAN カード アダプタです。デバイスマネージャにはまるで本物の LAN カードが物理的にコンピュータに装着されているように表示されますが、実際には完全にソフトウェアのみで構成されているプログラムです。

<-通信->

(TCP/IPをベースとした
SoftEther プロトコル)

SoftEther
仮想スイッチング HUB
SoftEther
仮想 LAN カード

 

この「SoftEther 仮想 LAN カード」が、別のコンピュータ上 (同じコンピュータでも構いません) で稼動している SoftEther 仮想 HUB に対して接続することにより、そのコンピュータは SoftEther 仮想 LAN (仮想ネットワーク) に接続したことになります。

 

OS やソフトウェアからは物理的な LAN カードとして認識される

SoftEther 仮想 LAN カードの最大の特徴は、OS (オペレーティングシステム) やその上で動作するネットワーク通信を行うすべてのソフトウェアから、物理的な LAN カードと全く同一に認識されるという点にあります。

下の写真のように、Windows の「ネットワーク接続」の一覧にも表示されます。

 

OS から見ると物理的な LAN カードのように見えるので、普通の LAN カードと同様に、各種プロトコルをバインドして利用することができます。Windows では通常は TCP/IP のみがバインドされていますが、使用方法に応じて NetBEUI や IPX 互換プロトコルなどをインストールすることも、もちろん簡単にできます。

 

普通の LAN カードのように、TCP/IP のプロパティを表示して IP アドレスを割り当てたり、デフォルト ゲートウェイを設定したりすることも可能です。

 

デフォルト ゲートウェイを仮想 LAN 側のホストの IP アドレスに設定すると、インターネットなどの外部ネットワークに対するアクセスに仮想 LAN を使用することさえ可能になります。

 

仮想 LAN カードの MAC アドレス

SoftEther 仮想 LAN は Ethernet 規格に準拠したネットワークであるため、仮想 LAN カードにも MAC アドレスが存在します。これを「仮想 MAC アドレス」と呼びます。

SoftEther 仮想 LAN カードの MAC アドレスは、インストールしたコンピュータごとに重複しない値が、SoftEther インストーラによって自動的に設定されます(同じセグメントの LAN 内で重複する MAC アドレスがある場合は、通信ができなくなってしまいます)。

また、割り当てられた仮想 MAC アドレスは、ユーザーが手動で変更することができます。ただし、仮想 MAC アドレスが 2 台以上のコンピュータで重複して設定されることは確率的にはほぼ絶対あり得ないため、通常は変更する必要はありません。

 

SoftEther 仮想 HUB への接続

仮想 LAN カードは、初期状態ではどこにも接続されていません。ユーザーが接続先の SoftEther 仮想 HUB を選択し、仮想ネットワークに接続することができます。

仮想 LAN カードがどこにも接続されていない状態は、物理的な LAN カードに LAN ケーブルが接続されていない状態とよく似ています。実際に、OS (Windows) はそのように認識します。そのため、どこにも接続されていない仮想 LAN カードは、「ネットワーク ケーブルが接続されていません。」と表示されることになります。

仮想 LAN カードを仮想 HUB に接続するには、「SoftEther 接続マネージャ」を使用します。Windows のダイヤルアップ接続のように、アイコンをダブルクリックするだけで簡単に SoftEther 仮想 HUB に接続することができます。SoftEther 接続マネージャの使用方法については、オンライン マニュアル を参照してください。

SoftEther 仮想 HUB への接続が完了すると、OS からは仮想 LAN カードが「LAN ケーブルによって HUB に接続された」状態として認識され、「SoftEther 仮想 LAN 接続 に接続しました」というメッセージが表示されます。

 

自動再接続機能

SoftEther 仮想 LAN カードが仮想 HUB への接続に失敗したり、途中で通信が切断されてしまった場合、予め設定しておくことにより、自動再接続機能を動作させることができます。

自動再接続機能は、できる限り SoftEther 仮想 HUB への接続を維持しようとします。SoftEther 仮想 LAN 接続は実際には物理的な LAN を TCP/IP を使用して接続しているので、物理的な LAN で回線障害が発生した場合などは、仮想ネットワークの接続も切断されてしまうことになります。また、仮想 HUB を稼動させているコンピュータが停止した場合やネットワークから切断された場合なども同様です。

このような場合、再接続機能が自動的に動作し、仮想 HUB に対して接続が完了するまで、ユーザーが中断を指示するまでの間、永久に接続を試行します。

 

セッション再接続機能

SoftEther 仮想 HUB と仮想 LAN カードには、セッション維持機能が搭載されています。何らかのネットワーク障害などにより、一時的に仮想 HUB と仮想 LAN カードとの間の通信ができなくなってしまった場合、SoftEther 仮想 HUB と仮想 LAN カードの双方で通信不能時のパケットのバッファリングが開始されます。たとえば、無線 LAN や PHS 接続などの不安定なネットワーク環境などでは、このようなことがよく起こるかも知れません。

つまり、通信ができなくなっている間、仮想 HUB と仮想 LAN カードの両方で、相手に対して送信するべき仮想 Ethernet フレームを送信せずに保留しておきます。

そして、約 60 秒以内に SoftEther 仮想 LAN カードが仮想 HUB への再接続に成功した場合、通信できなかった間に双方で保留 (バッファリング) されていたパケットが一瞬で再同期され、仮想 LAN を使って通信していたアプリケーションからは、まるで 1 度も通信が切断されなかったように見えます。

 

自動切断防止機能

SoftEther 仮想 LAN カードと仮想 HUB との間の通信は、実際には物理的な通信によって支えられています(SoftEther 仮想 LAN にとっての「物理層」とは、仮想 HUB と仮想 LAN カードとの接続に使用されている SoftEther プロトコルの TCP/IP セッションです)。

このような通常の物理的なネットワークでは、一定時間通信が無い場合は通信を切断してしまう自動切断機能が動作している場合があります。たとえば、ADSL 回線や PHS (AirH") 接続などでは、一定時間一切通信が無いと、接続を ISP 側から切断してしまいます。

そのため、SoftEther では一定時間ごとに内容が空のパケット (NULL パケットと呼ばれます) を内部的に送受信します。このパケットのサイズは 50 バイト程度であり、ネットワーク帯域をほとんど消費しないため、他の通信に影響を与えることはほとんどありません。この「切断防止パケット」を一定時間 (通常は 5 秒~ 10 秒) ごとに送受信することによって、物理的な回線の切断を防いでいます。

(この機能は大変役に立ちますが、課金が従量制のインターネット接続を使用している方は十分ご注意ください。SoftEther は仮想 HUB へ接続されている間、できる限り回線を維持しようと努力するため、インターネットへの接続がいつまでたっても切断されなかったり、自動的にインターネットに接続したりすることがあります。)

 

 

 
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