11.5 通信プロトコルに関する補足事項
ここでは、PacketiX VPN を使用する上での、通信プロトコルに関する補足事項を解説します。
11.5.1 使用可能な TCP/IP 以外のプロトコルについて
PacketiX VPN は、すべての Ethernet フレームを TCP/IP にカプセル化することにより VPN
を実現するプロトコルです。したがって、PacketiX VPN で扱える Ethernet フレームに入るパケットであれば、TCP/IP
プロトコル以外でも Ethernet
上で利用できるさまざまなプロトコルを使用することができます。たとえば、一部の家電製品やテレビ電話会議システムなどで使用されている、本来は LAN
上で使用することを前提としている TCP/IP を使用しない特殊なプロトコルなども、 PacketiX VPN 上で通信させることが可能です。
11.5.2 NetBEUI、IPX/SPX、AppleTalk などのプロトコルの使用について
PacketiX VPN によって構成される仮想のレイヤ 2 ネットワーク上では、NetBEUI、IPX/SPX、AppleTalk
などの TCP/IP 以外のプロトコルも使用できます。
11.5.3 マルチキャストパケットを VPN 内に流せるかどうかについて
PacketiX VPN Server の仮想 HUB は、通常の物理的なレイヤ 2 スイッチング HUB と同等の Ethernet
フレーム交換機能を有するため、通常のマルチキャスト IP パケットを VPN 上で流すことが可能です。
11.5.4 IP 電話プロトコルを使用できるかどうかについて
PacketiX VPN Server の仮想 HUB は、通常の物理的なレイヤ 2 スイッチング HUB と同等の Ethernet
フレーム交換機能を有するため、Ethernet 上で使用することができる IP
電話用プロトコルは、そのまま使用することができます。ただし、PacketiX VPN
を用いて遠隔地のコンピュータ同士を接続する場合のスループットや遅延などは、その両者の間の物理的な IP
ネットワークのスループットや遅延に依存するため、IP 電話の機種やプロトコルによっては音声品質が低下したり、または使用できない場合もあります。
11.5.5 NetMeeting などのビデオ会議プロトコルを使用できるかについて
PacketiX VPN Server の仮想 HUB は、通常の物理的なレイヤ 2 スイッチング HUB と同等の Ethernet
フレーム交換機能を有するため、Ethernet 上で使用することができる NetMeeting
などのビデオ会議プロトコルはそのまま使用することができます。なお、ソフトイーサ株式会社では、NetMeeting のビデオチャット機能を VPN
経由で使用することができることを確認しています。その他の Ethernet 上で使用することができるビデオ会議プロトコルなどについても、VPN
上で使用できる可能性が高いと思われますが、PacketiX VPN
を用いて遠隔地のコンピュータ同士を接続する場合は、スループットや遅延などはその両者の間の物理的な IP
ネットワークのスループットや遅延に依存しますので、プロトコルや必要とされるネットワークの帯域幅、および伝送速度によっては音声品質が低下したり、または使用できない場合もあります。
11.5.6 既存の VPN トンネルの中で PacketiX VPN 通信を行うことができるかどうかについて
PacketiX VPN プロトコルは、「2.1 VPN 通信プロトコル」 で解説されているように通常の TCP/IP
コネクション内をすべてのデータがストリームとして流れるため、PacketiX VPN プロトコルの各 IP パケットを、他の VPN
トンネリングプロトコル (L2TP/IPSec、PPTP など) の中で流すことが可能です。また、その逆に PacketiX VPN
セッションの内部に、他の VPN トンネリングプロトコル (L2TP/IPSec、PPTP など) のパケットを流すことも原則として可能です。
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