PacketiX VPN 2.0 ライセンス概要
PacketiX VPN 2.0
はソフトウェア製品であり、機能ごとに複数のエディションとしてライセンスが販売されています。ここでは、PacketiX VPN 2.0
の製品構成と、PacketiX VPN 2.0 に導入されているライセンスモデルについて説明します。
使用目的によるエディションの分類
PacketiX VPN 2.0
は個人向け・家庭向けネットワーク、中小規模のビジネス用のネットワーク、および大企業やインターネットサービスプロバイダなどが必要とする、広帯域および高い負荷が発生する高度なネットワークなどの、すべての範囲をカバーすることができる能力を持った
VPN ソフトウェアです。しかし、これらを実現するための各機能は、PacketiX VPN 2.0
の使用目的ごとに必要なものと不要なものに分類すべきです。たとえば、自宅や中小規模の会社でリモートアクセス VPN
を運営するには、数百~数千の同時接続数をサポートするための「クラスタリング機能」は必要ありません。
そこでソフトイーサ株式会社は、PacketiX VPN 2.0 をご使用いただくお客様のニーズに合わせて、4
種類の製品エディションを用意しました。お客様は、4 種類のエディションの中から使用目的に合った製品を選択していただくことができます。
PacketiX VPN Server 2.0 のエディション
以下で説明する各エディションの差異に関する事項は、PacketiX VPN Server 2.0
にのみ適用されるものです。ソフトイーサ株式会社は、PacketiX VPN Server 2.0
のみを、使用にライセンスキーが必要となる有料のソフトウェア製品として出荷しています。
PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0 はフリーウェア
PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0
の使用に際しては、ライセンスキーが不要で、どなたでも入手して使用可能なフリーウェアとして提供しています。
※
「フリーウェア」は、「オープンソースソフトウェア」などとは異なります。使用にあたってはインストール時などに表示される使用権許諾契約書の内容に従う必要があります。 |
各エディションの機能と特徴
PacketiX VPN Server 2.0 は、下記の 7 種類の製品エディションに分かれており、その機能の違いや注意事項は、次のとおりです。
製品エディション名 |
同時クライアント接続数 |
同時ブリッジ接続数 |
クラスタリング |
商用利用 |
Standard Edition |
購入したクライアント接続
ライセンス数による |
購入したブリッジ接続
ライセンス数による |
× |
○ |
Enterprise Edition |
購入したクライアント接続
ライセンス数による |
購入したブリッジ接続
ライセンス数による |
○ |
○ |
HOME Edition |
1 (固定) |
0 (固定) |
× |
○ |
SOHO Edition |
3 (固定) |
0 (固定) |
× |
○ |
Carrier Edition |
無制限 |
無制限 |
○ |
○ |
Embedded Edition |
形態によって異なる |
形態によって異なる |
× |
○ |
Academic Edition |
無制限 |
無制限 |
○ |
× |
- 「Academic Edition」以外の各エディションは有償のソフトウェア製品であり、それぞれのエディション用の「製品ライセンス」をご購入いただく必要があります。また、その VPN
Server
に同時に接続するクライアント数およびブリッジ数の最大数は、購入した「クライアント接続ライセンス」および「ブリッジ接続ライセンス」の合計数によって決定されます。
- 「Academic Edition」は無償のソフトウェア製品であり、ライセンスを購入することなく、すべての機能を同時接続数も無制限に利用することができますが、使用にあたっては
学術目的の使用に限定され、商用利用を行うことはできません。Academic Edition
の入手方法およびライセンス制度につきましては、https://www2.softether.jp/
をご確認ください。
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
Standard Edition とは
「PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition」は、クラスタリング機能が不要な規模の VPN
サーバー機能を提供することができる PacketiX VPN Server 2.0
の製品エディションです。
一般的な「企業・官公庁および個人事業者」に適合しています。Enterprise Edition
と異なり、「クラスタリング機能」の使用はできません。
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition を使用するためには、PacketiX VPN
取り扱いパートナーから製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition License」をご購入ください。
また、PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
を使用する場合には、製品ライセンスだけではなく「クライアント接続ライセンス」または「ブリッジ接続ライセンス」も購入する必要があります。
32 bit 版と 64 bit 版
「PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition」の製品ライセンスには、32 bit 版ライセンスと
64 bit 版ライセンスの 2 種類があります。
- PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition ライセンス(32 bit 版)
32 bit 版の VPN Server のみ動作させられます。
64 bit 版の VPN Server に、このライセンスを入力しても動作しません。
- PacketiX VPN Server 2.0 Standard 64-bit Edition ライセンス(64 bit 版)
32 bit 版または 64 bit 版の VPN Server のどちらでも動作させられます。64 bit CPU
(AMD64 や EM64T など) 上で 64 bit オペレーティングシステム (64 bit 版 Windows や Linux
など) を使用される場合は、こちらを選択してください。
なお、VPN Client および VPN Bridge ソフトウェアは「フリーウェア」であり、32 bit 版と 64 bit
版が用意されています。たとえ接続先の VPN Server が 32 bit 版であっても、クライアント側は 64 bit
版を利用できます。その場合も追加コストはかかりません。
64 bit 環境のサポートについては、詳細は 「第12章 PacketiX VPN ソフトウェア仕様」 を参照してください。
PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
Enterprise Edition とは
「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition」は、クラスタリング機能を必要とする規模の VPN
サーバー機能を提供することができる PacketiX VPN Server 2.0
の製品エディションです。通常のお客様向けに提供されている最上位エディションとして位置付けられています。
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition では使用できないクラスタリング機能が使用できます。クラスタリング機能に関する詳細は、「1.7 クラスタリングによる大規模環境への対応」 をお読みください。
「大企業や官公庁および大学など」で、構成員を対象とした大規模なリモートアクセス VPN
サービスを提供する場合に最適です。また、「PacketiX VPN 2.0 Administration
Pack」が付属し、企業内のエンドユーザーに対して簡易インストール機能や Web
インストール機能を提供するカスタマイズされたインストーラを作成したり、自社専用の VPN
クライアントソフトウェアを作成したりすることもできます。詳細は
「1.3.22 PacketiX VPN 2.0 Administration Pack」 をご参照ください。
PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition を使用するためには、PacketiX VPN
取り扱いパートナーから製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
License」をご購入ください。また、すでに製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0 Standard
Edition License」を保有されているお客様は、製品ライセンス「PacketiX VPN Server 2.0
Enterprise Edition Upgrade License」を追加でご購入いただくことにより、製品エディションを
Enterprise Edition にアップグレードすることができます。
また、PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
を使用する場合には、製品ライセンスだけではなく「クライアント接続ライセンス」または「ブリッジ接続ライセンス」も購入する必要があります。
32 bit 版と 64 bit 版
「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition」の製品ライセンスには、32 bit 版ライセンスと
64 bit 版ライセンスの 2 種類があります。
- PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition (32 bit 版)
32 bit 版の VPN Server のみ動作させられます。
64 bit 版の VPN Server に、このライセンスを入力しても動作しません。
- PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise 64-bit Edition (64 bit 版)
32 bit 版または 64 bit 版の VPN Server のどちらでも動作させられます。64 bit CPU
(AMD64 や EM64T など) 上で 64 bit オペレーティングシステム (64 bit 版 Windows や Linux
など) を使用される場合は、こちらを選択してください。
なお、VPN Client および VPN Bridge ソフトウェアは「フリーウェア」であり、32 bit 版と 64 bit
版が用意されています。たとえ接続先の VPN Server が 32 bit 版であっても、クライアント側は 64 bit
版を利用できます。その場合も追加コストはかかりません。
64 bit 環境のサポートについては、詳細は 「第12章 PacketiX VPN ソフトウェア仕様」 を参照してください。
PacketiX VPN Server 2.0 HOME Edition
HOME Edition とは
「PacketiX VPN Server 2.0 HOME Edition」は、「家庭などで VPN を使用するユーザー」が
接続クライアント数 1 程度の小規模な VPN
を構築するために使用する際に最適な PacketiX VPN Server 2.0
の製品エディションです。同時接続数に制限がある他は、PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
とほぼ同等の機能を持っています。
PacketiX VPN Server 2.0 HOME Edition に関する事項は、次のとおりです。
- 使用するにあたって、別途クライアント接続ライセンスを購入する必要はありません。
- クライアント接続ライセンスが 1 クライアント数まで標準で添付されています。ブリッジ接続ライセンスは添付されていません。
(ローカルブリッジ接続機能または SecureNAT 機能は使用可能です。)
- クライアント接続ライセンスおよびブリッジ接続ライセンスを追加購入することはできません。
- 別のコンピュータの VPN Bridge (またはブリッジモードの VPN Client) から VPN Server 2.0
SOHO Edition に接続することはできません。
PacketiX VPN Server 2.0 HOME Edition を使用するためには、ソフトイーサ株式会社から製品ライセンス「PacketiX
VPN Server 2.0 HOME Edition License」を購入する必要があります。
32 bit 版と 64 bit 版
PacketiX VPN Server 2.0 HOME Edition は 32 bit 版の VPN Server のみ動作
させられます。64 bit 版の VPN Server では機能しません。
なお、VPN Client および VPN Bridge ソフトウェアは「フリーウェア」であり、32 bit 版と 64 bit
版が用意されています。たとえ接続先の VPN Server が HOME Edition であっても、クライアント側は 64 bit
版を利用できます。その場合も追加コストはかかりません。
PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition
SOHO Edition とは
「PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition」は、「小規模の企業および個人事業者」が小規模な VPN
を構築するために使用する際に最適な PacketiX VPN Server 2.0
の製品エディションです。同時接続数に制限がある他は、PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
とほぼ同等の機能を持っています。
PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition に関する事項は、次のとおりです。
- 使用するにあたって、別途クライアント接続ライセンスを購入する必要はありません。
- クライアント接続ライセンスが 3 クライアント数まで標準で添付されています。ブリッジ接続ライセンスは添付されていません。
(ローカルブリッジ接続機能または SecureNAT 機能は使用可能です。)
- クライアント接続ライセンスおよびブリッジ接続ライセンスを追加購入することはできません。
- 別のコンピュータの VPN Bridge (またはブリッジモードの VPN Client) から VPN Server 2.0
SOHO Edition に接続することはできません。
PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition を使用するためには、ソフトイーサ株式会社から製品ライセンス「PacketiX
VPN Server 2.0 SOHO Edition License」を購入する必要があります。
32 bit 版と 64 bit 版
PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition は 32 bit
版の VPN Server のみ動作させられます。64 bit 版の VPN Server では機能しません。
なお、VPN Client および VPN Bridge ソフトウェアは「フリーウェア」であり、32 bit 版と 64 bit
版が用意されています。たとえ接続先の VPN Server が SOHO Edition であっても、クライアント側は 64 bit
版を利用できます。その場合も追加コストはかかりません。
PacketiX VPN Server 2.0 Carrier Edition
Carrier Edition とは
「PacketiX VPN Server 2.0 Carrier
Edition」は、「インターネットサービスプロバイダ」や「通信キャリア」、「Web ホスティング事業者」などの通信事業者が、顧客
(エンドユーザー) のために VPN サーバーの機能をホスティングして提供する形態のオンラインサービスを運営するために最適化された
PacketiX VPN Server 2.0 の製品エディションです。
PacketiX VPN Server 2.0 Carrier Edition は PacketiX VPN Server 2.0
のすべての機能を利用でき、また標準状態で事実上無制限の VPN 接続数を受け付けることができます。接続ライセンスは必要ありません。
Carrier Edition を使用すると、「10.9 大規模な仮想 HUB ホスティングサービスの構築」
で示されているようなオンラインサービスを簡単にエンドユーザーに対して提供するというビジネスを開始することができます。
Carrier Edition
はソフトイーサ株式会社またはその販売パートナーと契約を締結した通信事業者に対してのみ提供される特別なライセンスであり、一般のお客様が本ライセンスを購入いただくことはできません。
Enterprise Edition との違い
PacketiX VPN Server 2.0 Carrier Edition は、Enterprise Edition
と比較して、下記のような違いがあります。
- Carrier Edition の動作には、接続ライセンス (クライアント接続ライセンス・ブリッジ接続ライセンス)
の購入・登録が不要です。
- サービスプロバイダが多数のエンドユーザー向けに VPN Server を使用した VPN サービスを提供する場合は、本来は多数の
PacketiX VPN Server の製品ライセンスや接続ライセンスを購入する必要がありますが、Carrier Edition
を購入 (契約) することにより、製品ライセンスや接続ライセンスを購入する必要がなくなり、極めて安価に PacketiX VPN
Server の全性能を使用することができます。
- ソフトイーサ株式会社または販売パートナーとの間で Carrier Edition
の使用に関する契約を締結していただく必要があります。契約条件などはビジネスの形態によって異なりますが、実際の毎月ごとの VPN
Server の利用量 (仮想 HUB の数や登録ユーザーの数など) の実績をもとにライセンス料を課金する形態となる場合が大半です。
- クラスタを組んで複数台の VPN Server を稼動させることを前提としています。
- 64 bit サーバー上での使用を前提としています (32 bit 版も提供されていますが、多数のエンドユーザーからの大量の
VPN 接続を処理する際には、スケーラビリティの面から、推奨されていません)。
- クラスタリング機能と共に SecureNAT 機能の「仮想 DHCP
サーバー機能」が利用できます。これによりエンドユーザーの利便性が向上します。詳細は
「3.7.5 仮想 DHCP サーバー機能」 および #3.9.13#
をご参照ください。
- 「PacketiX VPN 2.0 Administration
Pack」が付属し、エンドユーザーに対して簡易インストール機能や Web
インストール機能を提供するカスタマイズされたインストーラを作成したり、独自にカスタマイズした VPN
クライアントソフトウェアを作成したりすることもできます。詳細は
「1.3.22 PacketiX VPN 2.0 Administration Pack」 をご参照ください。
- 標準で「PacketiX VPN 2.0 Option Pack」が付属します。詳細は
「1.3.21 PacketiX VPN 2.0 Option Pack」 をご参照ください。
32 bit 版と 64 bit 版
PacketiX VPN Server 2.0 Carrier Edition は、32 bit 版 VPN Server または 64
bit 版 VPN Server のどちらでも動作します。ただし、多量の VPN 接続を 1 台の VPN サーバーで処理するという性質上、
大量のメモリを扱うことが出来る 64
bit 版での使用が推奨されています。
64 bit 環境のサポートについては、詳細は 「第12章 PacketiX VPN ソフトウェア仕様」 を参照してください。
PacketiX VPN Server 2.0 Embedded Edition
Embedded Edition とは
「PacketiX VPN Server 2.0 Embedded
Edition」は、ソフトイーサ株式会社がハードウェアベンダ向けに提供している特別な組み込み向けバージョンの PacketiX VPN
Server 2.0 です。
たとえば小型の組み込みボードなどに PacketiX VPN Server 2.0 やその他の PacketiX VPN
ソフトウェアの機能を組み込み、特定の用途のための VPN 通信に利用することができます。
また、ブロードバンドルータなどの組み込み機器内に PacketiX VPN Server 2.0 の VPN
サーバー機能を搭載し、簡単にリモートアクセス VPN ゲートウェイを開発することもできます。
PacketiX VPN Server 2.0 Academic Edition
Academic Edition とは
「PacketiX VPN Server 2.0 Academic
Edition」は、ソフトイーサ株式会社が学術研究者向けに提供している無償の製品ライセンスです。
非営利の学術研究目的で PacketiX VPN Server 2.0
を使用される研究者や研究組織に対して発行いたします。Academic Edition
のライセンス発行にはソフトイーサ株式会社が定める条件が存在します。
PacketiX VPN Server 2.0 の 64 bit 版について
2006 年 8 月より、PacketiX VPN Server 2.0 は 32 bit 版と 64 bit 版の 2
種類が提供されるようになりました (従来は 32 bit 版のみが提供されていました)。
64 bit 版 PacketiX VPN Server 2.0 は、32 bit 版と比較して、以下のような利点があります。
64 bit 版オペレーティングシステムへの正式対応
現在 64 bit 対応 CPU およびコンピュータハードウェアは広く普及しており、また 64 bit 対応オペレーティングシステム
(例: Windows XP Professional x64 Edition など) の普及も始まっています。従来の 32 bit 版
PacketiX VPN 2.0 ソフトウェアはこれらの 64 bit モードで動作するオペレーティングシステムに正式に対応しておらず、32
bit 互換モード (エミュレーションモード) により 64 bit システム上で動作することができる場合についても、仮想 LAN
カードやローカルブリッジ機能を用いることができないなどのいくつかの制限事項が存在していたり、エミュレーションモードによるオーバーヘッドが原因で本来の
64 bit システムによって実現されるべき性能向上をユーザーが享受できなかったりすることがありました。
64 bit 版 PacketiX VPN 2.0 は Windows、Linux、FreeBSD および Solaris の 64 bit
バージョン上において、64 bit モードで最適に動作し、32 bit 環境と比較して高性能な 64 bit
コンピューティング環境上で最大限の性能を発揮できます。
通信スループットの向上
64 bit 版 PacketiX VPN 2.0 を使用すると、同じ性能のハードウェア上においても、32 bit 版 PacketiX
VPN 2.0 を使用した場合と比較して VPN 通信スループットが向上します。
特に高速通信回線上において VPN 通信を行う場合について、CPU
速度やメモリアクセスアーキテクチャなどがボトルネックになっているような環境の場合は、PacketiX VPN Server 2.0 の 64
bit 化により、おおよそ 17% の VPN 通信スループット向上が達成できることがわかっています。
VPN Server における同時接続 VPN セッション数および仮想 HUB 数の向上
PacketiX VPN Server 2.0 において、1 台の VPN Server 上に大量個数の仮想 HUB を設置したり、大量の
VPN セッションの同時接続を収容したりするような用途においては、従来の 32 bit 版 PacketiX VPN Server 2.0
には下記のような制限がありました。しかしながら、64 bit 版 PacketiX VPN Server 2.0
については技術的にこの制限がなくなり、より多くの仮想 HUB 数および VPN セッション数を 1 台の VPN Server
でサポートすることができるようになりました。
項目 |
32 bit 版 VPN Server 2.0 |
64 bit 版 VPN Server 2.0 |
仮想 HUB の個数 |
4,096 個 |
100,000 個 |
VPN セッションの同時接続数 |
4,096 セッション |
100,000 セッション |
理論上の最大値であり、ハードウェアリソースが不足する場合はこの限りではありません。また VPN Server
製品において実際に接続することができる VPN セッション数は、VPN Server
の製品ライセンスおよび接続ライセンスによって別途制限されます。 |
これにより、たとえば PacketiX VPN を用いたビジネスを展開するサービスプロバイダがデータセンターなどに設置した
PacketiX VPN Server Carrier Edition システムを用いて仮想 HUB を多数作成し、それぞれの仮想 HUB
の使用権を各エンドユーザーにレンタルするような ASP 型 VPN サービスを実施するような場合に、64 bit
アーキテクチャに対応したサーバーコンピュータを用いることにより、より少ない台数の VPN Server
コンピュータで大量のユーザーを収容することができます。
詳細な情報の入手方法
64 bit 環境のサポートについては、詳細は 「第12章 PacketiX VPN ソフトウェア仕様」 を参照してください。
接続ライセンスについて
「PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition」および、「PacketiX VPN Server 2.0
Enterprise Edition」を使用する場合は、製品ライセンスとは別に、その VPN Server に同時に接続する可能性がある「VPN
Client」や「VPN Server」の台数を見積もって、その台数以上の数の「クライアント接続ライセンス」および「ブリッジ接続ライセンス」を購入する必要があります。
- 「PacketiX VPN Server 2.0 HOME
Edition」では接続ライセンスを購入していただく必要はありません。HOME Edition では、常にクライアント接続ライセンスが
1 クライアント数、ブリッジ接続ライセンス数が 0 クライアント数登録されているのと同等の状態になります。
- 「PacketiX VPN Server 2.0 SOHO Edition」でも接続ライセンスを購入していただく必要はありません。SOHO Edition では、常にクライアント接続ライセンスが 3
クライアント数、ブリッジ接続ライセンス数が 0 クライアント数登録されているのと同等の状態になります。
- 通信事業者がエンドユーザー向けに VPN サーバーサービスを提供する場合など、同時に大量の VPN
接続を処理する必要がある場合は、「PacketiX VPN Server 2.0 Carrier
Edition」の購入が可能です。詳細は 「1.3.7 PacketiX VPN Server 2.0 Carrier Edition」 をご参照ください。
接続ライセンス数は、PacketiX VPN Server 2.0
をインストールしたサーバーコンピュータに関連付けられ、そのコンピュータの PacketiX VPN Server 2.0
が処理することができる接続数が決定されます。接続ライセンスの一部または全部を、別の PacketiX VPN Server 2.0
を動作させているサーバーコンピュータにも適用することはできません。
PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition
を使用している場合のクラスタリング環境においては、クライアント接続ライセンス数とブリッジ接続ライセンス数はクラスタ全体で管理されます。詳しくは、「1.7.5 クラスタリング時の製品ライセンスおよび接続ライセンス」
をお読みください。
PacketiX VPN Server 2.0
は、登録されたライセンス数の合計によって算出される同時接続数の制限を越えた数のコンピュータからの VPN
接続を受け付けません。なお、本ソフトウェアはお客様が所持しているライセンスキーの内容と接続ライセンスの数量に応じた機能をできる限り提供しますが、ハードウェアまたはソフトウェアの回避が困難または不可能な技術的制限によって、一部の機能の動作が低下、不安定化または動作しない場合があります。たとえば、400
個のクライアント接続ライセンスを購入したにもかかわらず、PacketiX VPN Server 2.0
を稼動させるサーバーコンピュータのメモリの使用可能な空き容量が 100 Mbytes 程度しかない場合は、実際には 200
接続程度の同時接続でサーバーコンピュータの空きメモリを使い果たし、機能が正しく動作しない可能性があります。接続ライセンス数はあくまでも
PacketiX VPN Server 2.0
が論理的に受け付けることができる接続数の最大値制限値を設定するものであり、お客様がご購入いただいた接続ライセンスの個数分の
VPN 接続がいかなる場合でも接続可能であることを保証するものではありません。 |
クライアント接続ライセンス
PacketiX VPN Server 2.0 は、その VPN Server 2.0
に登録された「クライアント接続ライセンス」の合計数までの同時クライアント接続を受け付けて処理することができます。登録されているクライアント接続ライセンス数の、合計数を超えたクライアント接続を処理することはできません。制限数を超えた場合、後から接続した
VPN セッションはエラーで切断されます。
クライアント接続ライセンスを消費する VPN 接続セッションの種類
クライアント接続ライセンスを必要とする「クライアント接続数」としては、次の条件に一致する VPN 接続セッションがカウントされます。
- 別のコンピュータのPacketiX VPN Client 2.0 からの VPN 接続セッション (ブリッジ /
ルータモードで接続しているものを除く)。
PacketiX VPN Server 2.0 内の仮想 HUB に、ネットワークを経由して別のコンピュータ上で動作している
PacketiX VPN Client 2.0 が VPN 接続をした場合に、その VPN
接続セッションは「クライアント接続数」でのカウントの対象となります。
ただし、VPN 接続時に「ブリッジ / ルータモード」が有効になっている VPN
セッションは「ブリッジ接続数」としてカウントされるので、「クライアント接続ライセンス」としてはカウントされず、クライアント接続ライセンスは消費されません。また、VPN
Server を動作させているコンピュータ自身で動作している PacketiX VPN Client 2.0
からの接続は、ネットワーク経由の接続ではないため、カウントされません。
PacketiX VPN Server 2.0 内部の「SecureNAT
セッション」、「ローカルブリッジセッション」、「カスケード接続セッション」、「PacketiX VPN Server
2.0 を管理するために VPN サーバー管理ツールや vpncmd
コマンドから接続された管理セッション」は、クライアント接続数またはブリッジ接続数としてカウントの対象にならず、接続ライセンスを消費しません。 |
ブリッジ接続ライセンス
PacketiX VPN Server 2.0 は、その VPN Server 2.0
に登録された「ブリッジ接続ライセンス」の合計数までの、同時ブリッジ接続を受け付けて処理することができます。登録されているブリッジ接続ライセンス数の合計数を超えたブリッジ接続を処理することはできません。制限数を超えた場合、後から接続した
VPN セッションはエラーで切断されます。
ブリッジ接続ライセンスを消費する VPN 接続セッションの種類
ブリッジ接続ライセンスを必要とする「ブリッジ接続数」としては、次の条件に一致する VPN 接続セッションがカウントされます。
- 別のコンピュータからの PacketiX VPN Bridge 2.0 または PacketiX VPN Server
2.0 からのカスケード接続の VPN セッション。
PacketiX VPN Server 2.0 内の仮想 HUB に、ネットワークを経由して別のコンピュータ上で動作している
PacketiX VPN Bridge 2.0 または PacketiX VPN Server 2.0
がカスケード接続をした場合、その VPN 接続セッションは「ブリッジ接続数」でのカウントの対象となります。
ただし、自分自身の PacketiX VPN Server 2.0 内部で仮想 HUB が別の仮想 HUB
にカスケード接続するような場合も、ネットワーク経由の接続ではないため、「ブリッジ接続ライセンス」としてはカウントされず、ブリッジ接続ライセンスは消費されません。
- 別のコンピュータからの PacketiX VPN Client 2.0 からのブリッジ / ルータモードで接続している
VPN 接続セッション。
PacketiX VPN Server 2.0 内の仮想 HUB に、ネットワークを経由して別のコンピュータ上で動作している
PacketiX VPN Client 2.0 が「ブリッジ / ルータモード」で VPN 接続をした場合、その VPN
接続セッションは「ブリッジ接続数」でのカウントの対象となります。
VPN 接続時に「ブリッジ / ルータモード」が有効になっていない VPN Client からの VPN
セッションは「クライアント接続数」としてカウントされますので、「ブリッジ接続ライセンス」としてはカウントされず、ブリッジ接続ライセンスは消費されません。また、VPN
Server を動作させているコンピュータ自身で動作している PacketiX VPN Client 2.0
からの接続は、ネットワーク経由の接続ではないため、カウントされません。
- PacketiX VPN Client 2.0 による「ブリッジ /
ルータモード」に関する詳細については、「1.6.9 ブリッジ / ルータモードセッション」 および
「3.4.9 ブリッジ / ルータモードセッション通信」 をお読みください。
PacketiX VPN Server 2.0 内部の「SecureNAT
セッション」、「ローカルブリッジセッション」、「カスケード接続セッション」、「PacketiX VPN Server
2.0 を管理するために VPN サーバー管理ツールや vpncmd
コマンドから接続された管理セッション」は、クライアント接続数またはブリッジ接続数としてカウントの対象にならず、接続ライセンスを消費しません。
PacketiX VPN Server 2.0 の仮想 HUB と物理的な
LAN カードを、ローカルブリッジ (「3.6 ローカルブリッジ」 を参照)
接続した場合でも、そのローカルブリッジ自体はブリッジ接続数としてカウントの対象にならず、ブリッジ接続ライセンスを消費しません。 |
PacketiX VPN Client および PacketiX VPN Bridge について
PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0
を使用するには、製品ライセンスおよび接続ライセンスは不要です。VPN Client 2.0 および VPN Bridge 2.0
は、ソフトイーサ株式会社によって「フリーウェア」として提供されているため、インストール時などに表示される使用権許諾契約書に従って使用することができます。
ただし、PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0 を PacketiX
VPN Server 2.0 に接続して使用する場合、接続先の PacketiX VPN Server 2.0
で必要な製品ライセンスおよびクライアント接続ライセンス・ブリッジ接続ライセンスが必要となります (接続ライセンスの購入が不要な VPN
Server 製品を除く)。
体験版ライセンス
ソフトイーサ株式会社は、お客様が PacketiX VPN 2.0
の製品ライセンスおよび接続ライセンスをご購入いただく前に、PacketiX VPN 2.0
の使用方法、性能、機能および安定性などについて実際に使用して体験していただくことができるようにするため、「体験版ライセンス」(トライアルライセンス)を
無償で発行いたします。
「体験版ライセンス」は無償で発行され、申し込み時に希望されたエディション (「PacketiX VPN Server 2.0 Standard
Edition」または「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition」)
の体験版ライセンスキーと、評価に必要な程度の、クライアント接続ライセンスおよびブリッジ接続ライセンスの体験版ライセンスキーを受け取ることができます。体験版は「一定期間」(ソフトイーサ株式会社がライセンス発行の際に定めた期間。通常は約
60 日間)
使用することができ、それを超えて使用する場合はライセンスを購入していただくか、PacketiX VPN Server 2.0
の使用を終了していただくことになります。
なお、体験版ライセンスをお使いの状態で製品版ライセンスをご購入いただいた場合は、VPN Server
の動作を停止せずに、スムーズに製品版ライセンスを使用する状態へ移行することが可能です。
PacketiX VPN Server 2.0 の体験版ライセンスは原則として 1
組織につき 1 度のみ発行いたします。
体験版ライセンスで利用することができる PacketiX VPN Server 2.0 の機能は、製品版の PacketiX VPN
Server 2.0 のライセンスで利用することができる機能と全く同等です。したがいまして、PacketiX VPN Server 2.0
の製品版ライセンスを購入をされる前に、必ず体験版ライセンスを使って実際に PacketiX VPN 2.0
を使用される環境に導入して、各種機能および性能の評価を行っていただくことを強く推奨いたします。
体験版ライセンスをご利用いただく際に「体験版」として使用期限が設定されているのは「PacketiX VPN Server 2.0」のみです。PacketiX VPN Client 2.0 および PacketiX VPN Bridge 2.0
は体験版の使用期限にかかわらず、フリーウェアとして無償で使用できます。 |
ライセンスの有効期限
通常の製品版ライセンスとしてご購入いただいたライセンスキーは、通常、有効期限はありません。有効期限がないライセンスは無期限で使用することができます。
体験版ライセンス(トライアルライセンス)の有効期限は、体験版の使用期限と同一です。有効期限が切れたライセンスは、製品ライセンス・接続ライセンスのいずれの場合も自動的に無効になり、そのライセンスが
PacketiX VPN Server 2.0
に登録されていなかったものとして扱われます。ただし、たとえば接続ライセンスの有効期限が切れた瞬間に PacketiX VPN Server
に接続していた VPN Client や VPN Bridge のセッションが突然切断されることはありません。
「HOME Edition」や「SOHO
Edition」については、ご購入いただいた商品の形態によって、ライセンスの有効期限がある場合があります。詳細はご購入時の Web
サイトまたはソフトウェアパッケージの説明書きをご参照ください。
ソフトイーサ株式会社は、製品版・体験版以外の種類のライセンスを、特定のお客様宛に発行する場合があります。これらのライセンスは通常「Premium
License」などと呼ばれます。Premium License
には有効期限がある場合とない場合とがあり、また同時にソフトイーサ株式会社によって指定された条件がある場合は、その条件によってライセンスの効力が消滅する場合もあります。
ライセンスのサーバー ID
サーバー ID の役割
PacketiX VPN Server 2.0 のライセンスキーには、すべて「サーバー ID」と呼ばれる最大 12
桁の整数が指定されています。サーバー ID は PacketiX VPN Server 2.0 を動作させるコンピュータを定義するものです。
たとえば、企業内に A と B の 2 台の VPN サーバー用コンピュータがあり、この両方に PacketiX VPN Server
2.0 をインストールして VPN サーバーとして使用する場合、サーバーコンピュータ A 用に発行された製品ライセンスのサーバー ID
と、サーバーコンピュータ B 用に発行された製品ライセンスのサーバー ID とは数字が異なります。
PacketiX VPN Server 2.0 では、入力されたライセンス情報に含まれるサーバー ID の値を読み取り、VPN
Server 2.0 の管理者に対して現在のサーバー ID を表示します 。ライセンスIDの確認についての詳細は
「7.4.3 現在のライセンス状態および接続数の使用状況の確認」 をお読みください。
サーバーコンピュータ A の PacketiX VPN Server 2.0
用の接続ライセンスを追加購入しようとする場合、お客様はサーバーコンピュータ A のサーバー ID
を指定して、そのサーバーに対する接続ライセンスを購入することになります。
したがって、サーバーコンピュータ B など、別の PacketiX VPN Server 2.0 が動作している VPN Server
用に発行される接続ライセンスキーを、サーバーコンピュータ A に入力して使用することはできません。
同様に「PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition」の製品ライセンスを購入して、サーバーを
PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition
として使用している状態で、クラスタリング機能を必要とするために後日「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise
Edition Upgrade License」をご購入いただく場合も、先に使用していたアップグレード対象の「PacketiX VPN Server 2.0
Standard Edition」のサーバー ID を指定する必要があります。
サーバー ID による管理のメリット
PacketiX VPN Server 2.0 の製品ライセンスおよび接続ライセンスに「サーバー ID」が指定されており、また同じサーバーに複数のサーバー ID
を持つライセンスキー同士を、混在させて登録することができないような制限になっているため、お客様はどのサーバーコンピュータにどのサーバー ID
を持ったライセンスを使用するのかを事前に決定することで、ライセンス数およびライセンスキーの管理が容易かつ確実になります。
なお、「サーバー ID」は、ソフトイーサ株式会社が新しい製品ライセンスを発行する際に乱数を用いて決定する、他のサーバー ID
と重複することのない 40 bit
程度の整数値であり、それ以上の意味はありません。また、お客様はライセンス購入にあたって、そのライセンスがどのサーバーコンピュータで使用されるのかといった管理情報をソフトイーサ株式会社に提供していただく必要はありません。
ライセンス ID およびライセンスキー
ライセンス ID およびライセンスキー
PacketiX VPN Server 2.0 用の製品ライセンス、クライアント接続ライセンスおよびブリッジ接続ライセンスは、「ライセンス
ID」および「ライセンスキー」の 2 種類の表記方法で識別されます。お客様はライセンス ID およびライセンスキーを所有し、それを
PacketiX VPN Server 2.0 に入力することによって、PacketiX VPN Server 2.0
プログラムに対して正規のライセンスを保有していることを証明することができ、PacketiX VPN Server 2.0
の各機能が利用可能になります。
ライセンスキー
「ライセンスキー」はライセンスを一意に識別するものであり、PacketiX VPN Server 2.0
に対して実際に入力する必要があるキーです。ライセンスキーは一般的に下記のような形式をしています。
XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX-XXXXXX
上記のような 36 桁の英数字とハイフンの組み合わせで表現されたライセンスキーには、ライセンスの種類、ライセンスの有効期限、サーバー
ID、シリアル ID などの、ライセンスの管理に必要な情報が格納されており、このライセンスキーを持っていることにより PacketiX VPN
Server 2.0 のライセンスを正規に保有していることが証明できます。
ライセンス ID
「ライセンス ID」はライセンスを一意に識別するものであり、ライセンスキーを入力すると、それに対応するライセンス ID が PacketiX
VPN Server 2.0
によって表示されるほか、ライセンスが発行された際のライセンス証書またはメールの本文にライセンスキーと共に記載されています。
ライセンス ID は一般的に下記のような形式をしています。
AAAAA-BBBBB-CCCCCCCCCCCC-DDDDD-EE
上記の A ~ E の場所にはそれぞれ数字が入り、合計 29 桁の数字 (ハイフンを除く)
で構成されています。それぞれのフィールドの情報は下記のとおりです。
フィールド |
値 |
AAAAA |
ライセンスの種類
(このライセンスが製品ライセンスや接続ライセンスのうち、いずれの種別のものであるかを示す 5 桁の数字)。 |
BBBBB |
ライセンスが無期限である場合は、00000。
ライセンスに有効期限が設定されている場合は、有効期限を示す数字 (おおよそ西暦2005年1月1日からの日数)。その値が
4 桁以下の場合は、5 桁になるまで先頭に 0 を加える。 |
CCCCCCCCCCCC |
サーバー ID を示す 12 桁の数字。その値が 11
桁以下の場合は、12 桁になるまで先頭に 0 を加える。 |
DDDDD |
同一サーバー ID 下での、ライセンスキーを識別するためのシリアル
ID を示す 5 桁の数字。その値が 4 桁以下の場合は、5 桁になるまで先頭に 0 を加える。 |
EE |
チェックデジット (2 桁)。 |
したがって、ライセンス ID の 2 個目のフィールドを見るだけで有効期限の有無が、3 個目のフィールドを見るだけでライセンスのサーバー
ID がすぐに分かるようになっており、複数のライセンスキーとライセンス ID の管理が楽になります。
ライセンスキーおよびライセンス ID の取り扱い
ソフトイーサ株式会社から直接またはパートナーを通じて発行された「ライセンスキー」および「ライセンス ID」の取り扱いにはご注意ください。特にライセンスキーは、PacketiX VPN Server 2.0
の管理者など必要最小限の人物以外の方には教えないように、厳重に保管くださいますようお願いいたします。「ライセンス ID」のみではライセンスキーを生成することができず、ライセンス ID
が流出した場合でもライセンス違反を防ぐことはできますが、ライセンスキーが流出してしまった場合は、そのライセンスキーを他のコンピュータに入力することによって違法にソフトウェア製品が使用されてしまい、被害が発生する可能性があります。PacketiX
VPN 2.0 のサポートを、購入元パートナーに依頼する場合では、「ライセンス ID」のみを伝達してください
(サポートを受けるにあたって、「ライセンスキー」を提示する必要はありません)。
同一のライセンスキーを複数のコンピュータに入力することによる違法コピーの禁止
お客様は、同一のライセンスキーを 2 台以上の PacketiX VPN Server 2.0
が動作しているコンピュータに入力することはできません。PacketiX VPN Server 2.0
の「使用権許諾契約書」によると、「同一の製品ライセンスキーまたは接続ライセンスキーを 2
台以上のコンピュータに入力し使用すること。」というライセンスキーの使用方法は禁止事項として規定されており、これに同意せずに複数のコンピュータに同一の製品ライセンスキーや接続ライセンスキーを入力した場合は、PacketiX
VPN Server 2.0 プログラムの複製権を侵害する著作権法違反行為として、刑事的および民事的な罰を受ける場合があります。
ライセンスの有効性および諸情報の確認方法
お客様が、製品ライセンスキーや接続ライセンスキーを PacketiX VPN
取り扱いパートナーを経由してご購入していただいた場合、保有されているライセンスキーが、ソフトイーサ株式会社によって正規に発行されたものであるかどうかを確認するための
Web サイトを使用することができます。
「PacketiX ライセンス管理サービス Web
サイト」にアクセスしていただくことにより、原則としていつでもお客様がお持ちのライセンスキーまたはライセンス ID
が、正当なものであるかどうかを確認することができます。また、お客様のライセンスに関する詳細な追加情報も入手可能です。
「PacketiX ライセンス管理サービス Web サイト」にアクセスし、お客様の「ライセンスキー」または「ライセンス ID」を入力することによって、確認可能なライセンス情報には、次のようなものがあります。
- ライセンスの種類。
- ライセンス ID。
- ライセンスキー。
- サーバー ID。
- シリアル ID。
- ライセンス発行日時。
- ライセンスの有効期限。
- ライセンスの販売元パートナー名およびサポート情報。
- 入力されたライセンスのサーバー ID と同一サーバー ID を持つ他のライセンスのライセンス ID およびライセンスキーの一覧。
図1-3-1 PacketiX ライセンス管理サービス Web サイト |
ライセンスの追加購入について
お客様が「PacketiX VPN Server 2.0 Standard Edition」または「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition」をお使いの場合で、当初ご購入いただいた「クライアント接続ライセンス」数または「ブリッジ接続ライセンス」数が不足してきたため、追加でクライアント接続ライセンスまたはブリッジ接続ライセンスをお買い求めいただく場合、ご購入元の
PacketiX VPN 取り扱いパートナー、または保守契約などをされているサポート担当者までご連絡ください。その際は「サーバー
ID」または「ライセンス ID」が必要になります。追加購入した「クライアント接続ライセンス」、「ブリッジ接続ライセンス」または「PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise
Edition Upgrade License」は、お客様がすでにお持ちの PacketiX VPN Server 2.0 のサーバー ID
に対して発行されます。
PacketiX VPN 2.0 Option Pack
PacketiX VPN 2.0 Option Pack の概要
PacketiX VPN 2.0 Option Pack は、PacketiX VPN 2.0 のソフトウェア (VPN Client
2.0 / VPN Server 2.0 / VPN Bridge 2.0) に対して新機能を追加するアップデートです。
Option Pack のライセンスを保有しているユーザーは、PacketiX VPN Server 2.0
に新しい機能が追加されるたびに、ソフトウェアをダウンロードしてアップデートするだけで、無償で最新の機能を自動的に利用できるようになります。
PacketiX VPN 2.0 Option Pack の入手方法
PacketiX VPN 2.0 Option Pack は、PacketiX VPN Server 2.0 の製品ライセンス
(Standard Edition または Enterprise Edition)
をお持ちの方が入手することができる、常に最新のソフトウェアの機能を利用することができる権利 (ライセンス)
です。具体的には、ライセンスキーが発行され、そのライセンスキーを入力することによって Option Pack の機能が利用できるようになります。
ソフトイーサ株式会社は、PacketiX VPN 2.0 Option Pack
を多くのユーザーにお使いいただくため、原則として無償でライセンスを提供します (VPN Server の Standard Edition
または Enterprise Edition
をお持ちのユーザーで、かつソフトイーサ株式会社または販売パートナーが提供する保守サービスに加入されているエンドユーザーを前提とします)。その他のユーザーは
Option Pack のライセンスを追加で購入することが可能かどうかは、販売パートナーにお問い合わせください。
2006 年 8 月時点での新機能の一覧
PacketiX VPN 2.0 Option Pack の導入により、2005 年 12 月の PacketiX VPN 2.0
の最初のバージョン (ビルド 5080) の公開 / 発売以降に当社によって新たに開発された以下の新機能を利用することができるようになりました。
- VoIP / QoS 対応機能
VoIP
パケットなどの低遅延・低ジッタでの伝送が必要とされる通信パケットについて他パケットと比較して優先的に帯域確保・伝送する技術である「VoIP
/ QoS 対応機能」が利用できるようになります。
詳細は 「1.9.1 VoIP / QoS 対応機能とは」 を参照してください。
- syslog 送信機能
VPN Server 2.0 の VPN サーバー全体の管理ログ、または仮想 HUB
ごとのセキュリティログおよびパケットログの内容を、標準的なログ配信プロトコルである「syslog プロトコル」によって、外部の
syslog サーバー等に伝送することができるようになります。
従来は VPN Server 2.0 の各種ログはファイルとしてディスク上に記録されましたが、syslog
送信機能を利用することによって、複数のシステムを管理しているシステム管理者が、ログの管理を集約することができ、管理コストの削減が可能になるとともに、syslog
の受け側のソフトウェアにおいて、特定のログ内容が発生した場合にアラートを出すといった運用も可能となります。
詳細は 「3.3.17 syslog 送信機能」 を参照してください。
- 多重ログイン数制限機能
仮想 HUB
に登録するユーザーまたはグループごとにセキュリティポリシーとして、「多重ログイン制限数」を設定することができるようになります。これにより、同一のユーザー名のユーザーが仮想
HUB
に複数セッション接続しようとした場合、そのユーザー名による接続数が設定されている「多重ログイン制限数」以上である場合は、そのユーザー名による新たな接続が拒否されます。
従来のバージョンの VPN Server 2.0 では、1 つユーザーオブジェクトを作成すると、そのユーザーを使用して複数本の VPN
セッションを、複数台の VPN クライアントコンピュータから同時に確立することができました。しかし、たとえば社内ユーザーに対して 1
つずつ VPN 接続のためのアカウントを発行している場合において、同一人物が複数の場所から複数のコンピュータによって同時に VPN
接続を行うことができてしまい、管理上およびセキュリティ上の問題が発生することがありました。本機能により、VPN Server 2.0
のシステム管理者は、各ユーザーについて同時に接続することができる VPN セッション数を指定した本数 (通常は 1 本)
に限定することが可能となります。
詳細は 「3.5.9 セキュリティポリシー」 を参照してください。
PacketiX VPN 2.0 Administration Pack
PacketiX VPN 2.0 Administration Pack の概要
PacketiX VPN 2.0 Administration Pack
は、企業のシステム管理者やサービスプロバイダなどの、多数のエンドユーザーに対して VPN
サービスを提供する立場にある方のための特別なソフトウェアツール集です。具体的には、下記のようなソフトウェアが含まれます。
- VPN クライアント簡易インストーラ作成キット
自社の組織内のエンドユーザーに対して配布することができる「簡易インストーラ」を作成することができます。従来の VPN Client
のインストーラと異なり、ユーザーがインストーラを起動するだけで、あとは何も入力しなくても VPN Client
ソフトウェアがコンピュータにインストールされ、また必要な場合はインストーラに含まれた接続設定ファイルを用いて VPN
サーバーへの接続が開始されるようにすることができます。これによりエンドユーザーは VPN Client
ソフトウェアのインストールや初期設定の手間をかけずに、たとえばネットワーク管理者が設置した VPN サーバーにクリック 1
回だけで簡単に接続することができます。「ブランド化キット」と組み合わせて使用することにより、ブランド化した自社専用の VPN
Client をインストールするための簡易インストーラを作成することもできます。
- VPN クライアント Web インストーラ作成キット
エンドユーザーが Web ページを開いて ActiveX コントロールを 1 回クリックするだけで、自動的に VPN Client
ソフトウェアがコンピュータにインストールされ、また必要な場合はインストーラに含まれた接続設定ファイルを用いて VPN
サーバーへの接続が開始されるようにすることができます。
これによりネットワーク管理者はエンドユーザーに対して事前に VPN Client
のインストーラファイルを配布する必要がなくなり、メールで指定した URL を Internet Explorer などの Web
ブラウザで開かせるだけで、VPN Client をインストールさせることができます。
「ブランド化キット」と組み合わせて使用することにより、ブランド化した自社専用の VPN Client をインストールするための Web
インストーラを作成することもできます。
- VPN Server SDK for .NET 2.0
稼働中の VPN Server ソフトウェアを自動制御するための Microsoft .NET Framework 2.0 用 DLL
ファイル (プライベートアセンブリ) です。
通常、VPN サーバー管理マネージャや vpncmd などを用いて手動でシステム管理 (仮想 HUB
やユーザーの作成、削除、動作状況の確認など) を手動で行う場合の操作のすべてを、例えば C#.net や VB.net などで作成した
.NET プログラムから関数を呼び出す形で自由自在に行うことができます。これにより、管理用ユーティリティや ASP.NET
上などで動作する Web アプリケーションなどから VPN Server の管理や操作、動作チェックなどを自動的に行うことができます。
また Carrier Edition を使用してエンドユーザー向けの ASP 型 VPN
サービスを提供する場合には、ユーザーのオンラインサインアップシステムやオンライン設定ページなどのシステムと連動して VPN Server
側の状態をリアルタイムに操作することができるようなシステムを簡単に構築できます。
PacketiX VPN 2.0 Administration Pack の入手方法
PacketiX VPN Server 2.0 Enterprise Edition または PacketiX VPN Server
2.0 Carrier Edition の製品ライセンスを保有しているユーザーは、PacketiX VPN 2.0 Administration
Pack を無償で使用することができます (PacketiX VPN 2.0 Administration Pack
の提供が開始された後に限ります)。
その他のユーザーが PacketiX VPN 2.0 Administration Pack の入手を希望される場合は、https://www2.softether.jp/
からソフトイーサ株式会社までお問い合わせください。
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