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トップページ 報道発表資料一覧 PacketiX VPN のオープンソース版 『UT-VPN』 の UNIX 版およびソースコードを公開Select Language:

 

2010 年 6 月 28 日 (月)

ソフトイーサ株式会社 技術開発部
(茨城県つくば市)


ソースコードは GPLv2 ライセンスで公開。
誰でもコンパイル・改造・再配布が可能に。

PacketiX VPN のオープンソース版 『UT-VPN』 の
UNIX 版およびソースコードを公開


 

 筑波大学発ベンチャー企業である ソフトイーサ株式会社 (以下「ソフトイーサ」といいます) は、2010 年 6 月 7 日に Windows 版バイナリを配布開始した「UT-VPN」 (University of Tsukuba VPN、筑波大学 VPN) のソースコードについて、本日、UT-VPN のWeb サイトでダウンロード配布を開始いたしました。

 UT-VPN のソースコードは GPLv2 ライセンスとして提供されます。GPL は Linux カーネル等でも採用されているソフトウェアライセンスで、誰でもソースコードをダウンロードし、改変・改良し、改良したソースコードを再配布したり、バイナリ形式で再配布・販売することができるライセンスです。

 また、前回公開した UT-VPN ソフトウェアは Windows にのみ対応していましたが、今回新たに UNIX 系 OS にも対応いたしました。そして、本日、Linux / FreeBSD / Solaris / Mac OS X 版のダウンロード提供を開始しました。

 

UT-VPN の新しいマーク

 UT-VPN を表す新しいマークは、以下のとおりです。UT-VPN を使用することにより、既存の技術的な問題等の「壁」を解決し、簡単に安全な VPN を構築することができることを意味します。

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ソースコードについて

 今回オープンソース化した UT-VPN は、ソフトイーサが 2010 年 3 月 15 日に発売した PacketiX VPN 3.0 から、一部、権利関係の問題によりオープンソース化することができなかった法人のお客様向け機能を除去し、また、学術実験的なコードを追加したバージョンです。C 言語によって記述されており、約 21 万行のプログラムコードから構成されています。GPLv2 に従って、誰でもソースコードをダウンロード、改造し、再コンパイルして配布および販売することができます (図1)。

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(図1: UT-VPN のソースコードの一部)

 ソフトイーサおよび UT-VPN プロジェクトは、ソースコードの活用方法について制約を設けていません。誰でも、自分が開発するソフトウェアの一部として、UT-VPN を自由に改造して組み込むことができます。たとえば、自社のネットワーク機器やネットワークソフトウェア製品に UT-VPN を基にした VPN 機能を組み込むことも可能になります。また、SSL-VPN プロトコルの一部を改良して、独自の SSL-VPN プロトコルを開発することもできます。これらのことが、すべて無償で可能になります。

 

 UT-VPN を公開することにより、ソフトイーサは筑波大学との共同研究の成果を広く公開することとなり、その設計図であるソースコードを誰でも閲覧・改造することができるようになるため、VPN 技術や関連通信技術の発展・向上に大きく寄与することができると考えております。さらに、UT-VPN や UT-VPN をベースとした派生 VPN ソフトウェアは、社会における情報流通のさらなる自由化を促進することとなり、使われ方によっては、世の中の色々な障壁や制約を VPN 技術の力で緩和し、社会の発展をさらに加速することができるきっかけとなるものと考えております。

 

UT-VPN のソースコードに関する基礎的情報、リビルド (再構築) 方法、ソースコードの内部構造に関する情報は以下の添付ドキュメントをご参照ください。
UT-VPN_Developers_Guide.pdf

 

 

UNIX 版について

 新たに Linux / FreeBSD / Solaris / Mac OS X 版を公開しました。製品版の PacketiX VPN 3.0 と同様、UT-VPN も、多くの OS や CPU で動作させることができるようになりました。たとえば、一般的な PC 以外にも、組み込みハードウェア (ルータや監視カメラ、IP 電話機など) に UT-VPN を組み込むこともできるようになりました (図 2)。

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(図2: UT-VPN の FreeBSD 版の動作画面)

 これらの UNIX 系 OS に対応したバージョンは、tar.gz 形式のソースコードのパッケージファイルでのみ提供しています。したがって、利用者は、ソフトウェアをダウンロード後、「make コマンド」を用いて自らソースコードを自己の UNIX コンピュータ上でビルドしてインストールしてから使用することになります。

 ソースコード形式でソフトウェアが公開されるため、原理的には、ソースコードをコンパイルすることができるすべての OS 上および CPU 上で UT-VPN Server を動作させることが可能になります。たとえば、Intel の他、ARM、SH-4、MIPS、PowerPC、SPARC 等のアーキテクチャで 32-bit または 64-bit 環境でコンパイル、リンク、動作させることができます。新しいアーキテクチャの CPU が登場した場合でも、UT-VPN のソースコードをその環境をターゲットとしてコンパイルすることで VPN 機能をすぐに新環境で動作させることが可能になります。

 

UT-VPN の UNIX 版の動作環境 (OS・CPU 一覧)、使用方法、制限事項については以下の添付ドキュメントをご参照ください。
UT-VPN_Startup_Guide_for_UNIX.pdf

 

 

UT-VPN のねらい

 ソフトイーサ株式会社は、UT-VPN プロジェクトを単に無償で PacketiX VPN と類似の VPN ソフトウェアを配布するためだけの機会であると考えている訳ではありません。UT-VPN は製品版 PacketiX VPN に今後新たな機能を追加していく過程におけるテストリリース的な役割を担う重要なプラットフォームであると考えています。


(図3: PacketiX VPN と UT-VPN との関係図)

 今後ソフトイーサ株式会社が PacketiX VPN に新たな機能を組み込もうとするときは、最初に、UT-VPN 用当該機能を開発します。UT-VPN は製品版 PacketiX VPN と異なり、無保証の無償ソフトウェアであり、高度な安定性が期待されている訳ではありません。そこで、UT-VPN に新たな機能を追加搭載したバージョンを配布します。そしてしばらくして UT-VPN における安定性が確認できた場合、当該機能を製品版 PacketiX VPN にも搭載して出荷します (ソフトイーサ株式会社が当該追加コードのすべてを開発し権利を保有している場合)。

 このような循環を継続的に機能させることにより、UT-VPN の無償ユーザーおよび製品版 PacketiX VPN のお客様の双方が利益を得ることができるようにします(図 3)。

 

今後の予定

 ソフトイーサ株式会社および UT-VPN プロジェクトでは、今後、以下のようなスケジュールで研究開発を進める予定です。また、UT-VPN において最初に実装し、安定性が確認できた新機能は、順次、製品版の PacketiX VPN 3.0 にも追加搭載していく予定です。

  • 2010 年夏ごろを目安
    Mac OS X からの VPN 接続に対応。
    iPhone, iPad, Android, Windows Mobile 等の携帯 OS からの VPN 接続に対応。
    UNIX 系 OS 上における GUI 管理ツールの提供。
  • 2010 年秋ごろを目安
    英語版およびその他の言語版と Web サイトの提供。
    OpenVPN との相互接続性の実現 (OpenVPN のクライアントが UT-VPN のサーバーに接続可能になる)。これにより、OpenVPN Client が動作するすべての OS から UT-VPN への接続が可能となる。
  • それ以降 (次期未定)
    IPsec VPN との相互接続性の実現。
    Microsoft の DirectAccess または SSTP のサーバー機能の搭載 (Windows Server に搭載されている VPN 機能と同等の VPN 機能が利用可能になる)。
    マネージド API ライブラリ (Microsoft .NET)。
    仮想レイヤ 3 スイッチ機能の IPv6 対応。
    Web 管理インターフェイス。

 

UT-VPN に関する Web サイト

以下のリンクをご参照ください。

 


本件に関するお問い合わせ先
〒305-0031 茨城県つくば市吾妻2丁目8番地8 つくばシティアビル 6F
ソフトイーサ株式会社 技術開発部
報道関係者の方からのお問い合わせ: press-infosoftether.co.jp
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