2006 年 7 月 28 日 (金)
ソフトイーサ株式会社 (茨城県つくば市)
代表取締役 会長 登 大遊
x64 (EM64T / AMD64)
および SPARCv9 64 bit モードへの対応による
処理速度やスケーラビリティの大幅な向上を実現
「PacketiX VPN 2.0 64-bit Edition」を開発、8
月より提供開始
筑波大学発ベンチャー企業である ソフトイーサ株式会社 (代表取締役会長 登 大遊 / 本店所在地 茨城県つくば市) は、VPN
ソフトウェアシリーズ「PacketiX VPN 2.0」に含まれる各ソフトウェアの 64 bit 対応版を開発いたしました。
PacketiX VPN 2.0 ソフトウェアの 64 bit
対応につきましては、従来よりユーザーの皆様よりいただいたご要望のうち、最も件数の多い事項の一つでした。弊社では本ソフトウェアの 64 bit
版の開発が完了したことについて、販売戦略上の大きな節目として認識しており、特に 64 bit 化による各種の技術的な性能向上を生かしたさらなるビジネス展開
(PacketiX VPN 2.0 Carrier Edition 等: 末尾に記載) を推進してまいります。
64 bit 対応版のソフトウェア製品として、新製品「PacketiX VPN 2.0 64-bit Edition」を 2006 年 8
月以降、販売体制が整い次第、1st パートナーおよび販売パートナーを経由してライセンス提供を開始いたします。
今回「PacketiX VPN 2.0 64-bit Edition」において新たに対応した 64 bit CPU
アーキテクチャおよびオペレーティングシステムは以下のとおりです。
CPU アーキテクチャ |
オペレーティングシステム |
x64 (EM64T / AMD64) |
Windows XP Professional x64 Edition
Windows Server 2003 Standard x64 Edition
Windows Server 2003 Enterprise x64 Edition
Windows Server 2003 R2 Standard x64 Edition
Windows Server 2003 R2 Enterprise x64 Edition
Linux カーネル 2.4 および 2.6
FreeBSD 5.x および 6.x
Solaris 10 |
SPARCv9 64 bit モード |
Solaris 8, 9 および 10 |
今回 64 bit 版を開発したのは PacketiX VPN 2.0 ソフトウェアシリーズに含まれる、下記の全ソフトウェアです。
- PacketiX VPN Server 2.0 64-bit Edition
- PacketiX VPN Client 2.0 64-bit Edition *1
- PacketiX VPN Bridge 2.0 64-bit Edition *1
*1 VPN Client および VPN
Bridge は、VPN Server に接続するために無償でご使用いただけるソフトウェアです。
なお、64 bit 版 PacketiX VPN 2.0 は、従来の 32 bit 版 PacketiX VPN 2.0
と比較し、下記のような特徴を持ちます。
64 bit 版オペレーティングシステムへの正式対応
現在 64 bit 対応 CPU およびコンピュータハードウェアは広く普及しており、また 64 bit 対応オペレーティングシステム (例:
Windows XP Professional x64 Edition など) の普及も始まっています。従来の 32 bit 版 PacketiX VPN
2.0 ソフトウェアはこれらの 64 bit モードで動作するオペレーティングシステムに正式に対応しておらず、32 bit 互換モード
(エミュレーションモード) により 64 bit システム上で動作することができる場合についても、仮想 LAN
カードやローカルブリッジ機能を用いることができないなどのいくつかの制限事項が存在していたり、エミュレーションモードによるオーバーヘッドが原因で本来の 64
bit システムによって実現されるべき性能向上をユーザーが享受できなかったりすることがありました。
64 bit 版 PacketiX VPN 2.0 は Windows、Linux、FreeBSD および Solaris の 64 bit
バージョン上において、64 bit モードで最適に動作し、32 bit 環境と比較して高性能な 64 bit
コンピューティング環境上で最大限の性能を発揮できます。
通信スループットの向上
64 bit 版 PacketiX VPN 2.0 を使用すると、同じ性能のハードウェア上においても、32 bit 版 PacketiX VPN 2.0
を使用した場合と比較して VPN 通信スループットが向上します (図1)。
同一のハードウェア上において PacketiX VPN Server 2.0 の 32 bit 版および 64 bit 版の両方を用いて VPN
通信スループットの実験を行ったところ、32 bit 版については最大 VPN 通信スループットが約 2.6 Gbps であったことに対して、64 bit
版については最大 VPN 通信スループットは約 3.1 Gbps でした。
特に高速通信回線上において VPN 通信を行う場合について、CPU
速度やメモリアクセスアーキテクチャなどがボトルネックになっているような環境の場合は、PacketiX VPN Server 2.0 の 64 bit
化により、おおよそ 17% の VPN 通信スループット向上が達成できることがわかりました。

図1 PacketiX VPN Server 2.0 の 32 bit 版と 64 bit 版の性能比較
(*2)
*2 測定環境:
VPN サーバ機は AMD Opteron 2.0GHz Dual Core×2(合計4CPU), RAM 4,096MB, NIC Intel
PRO/10GbE SR Server Adapter。VPN クライアント機は Intel Xeon 3.2GHz HTx2(合計4CPU)6台, RAM
2,048MBytes, NIC Broadcom NetXtreme Gigabit Ethernet。OS はすべて Windows Server 2003
Enterprise Edition SP1。スイッチは Nortel 製 10GbE 対応レイヤ 2 スイッチ。
VPN Server における同時接続 VPN セッション数および仮想 HUB 数の向上
PacketiX VPN Server 2.0 において、1 台の VPN Server 上に大量個数の仮想 HUB を設置したり、大量の VPN
セッションの同時接続を収容したりするような用途においては、従来の 32 bit 版 PacketiX VPN Server 2.0
には下記のような制限がありました。しかしながら、64 bit 版 PacketiX VPN Server 2.0
については技術的にこの制限がなくなり、より多くの仮想 HUB 数および VPN セッション数を 1 台の VPN Server
でサポートすることができるようになりました。
項目 |
32 bit 版 VPN Server 2.0 |
64 bit 版 VPN Server 2.0 |
仮想 HUB の個数 |
4,096 個 |
100,000 個 *3 |
VPN セッションの同時接続数 |
4,096 セッション |
100,000 セッション *3 |
*3
理論上の最大値であり、ハードウェアリソースが不足する場合はこの限りではありません。また VPN Server 製品において実際に接続することができる VPN
セッション数は、VPN Server の製品ライセンスおよび接続ライセンスによって別途制限されます。
これにより、たとえば PacketiX VPN を用いたビジネスを展開するサービスプロバイダ様がデータセンターなどに設置した PacketiX VPN
Server システムを用いて仮想 HUB を多数作成し、それぞれの仮想 HUB の使用権を各エンドユーザーにレンタルするような ASP 型 VPN
サービスを実施するような場合に、64 bit アーキテクチャに対応したサーバーコンピュータを用いることにより、より少ない台数の VPN Server
コンピュータで大量のユーザーを収容することができます。
なお、弊社検証環境内でおおよそ 23,500 本の VPN セッションを同時に 1 台の VPN Server に対して接続した際のスクリーンショットを 図2
として掲載します。

図2 PacketiX VPN Server 2.0 64-bit Edition に
大量の VPN セッションを接続した際の管理画面
64 bit 対応仮想 LAN カードデバイスドライバ
従来の 32 bit 版 PacketiX VPN Client 2.0 (Windows 版) を 64 bit 版 Windows
で動作させると問題が生じていましたが、64 bit 版 PacketiX VPN Client 2.0 (Windows 版)
が実装されたことにより、Windows XP Professional x64 Edition などの最新のオペレーティングシステムを日常的に用いるユーザーも
PacketiX VPN Client 2.0 を使用することができるようになりました。
【関連情報】 PacketiX VPN 2.0 Carrier Edition について
ソフトイーサ株式会社では上記の「VPN Server における同時接続 VPN セッション数および仮想 HUB
数の向上」におけるメリットを十分に生かした、大量の VPN ユーザーを収容することができる、サービスプロバイダ様向けの特別なエディションである「PacketiX
VPN 2.0 Carrier Edition」の提供開始を予定しております。
PacketiX VPN 2.0 Carrier Edition は、ASP 型 VPN サービス (詳細な構成の例は
https://www2.softether.jp/jp/vpn2/manual/web/10-9.aspx をご参照ください)
をエンドユーザー向けに提供されるサービスプロバイダ様やキャリア様向けに最適な統合型ソリューションであり、2006 年 8 月中旬に詳細な情報を公開いたします。
本件に関するお問い合わせ先
〒305-0031 茨城県つくば市吾妻2丁目8番地8 つくばシティアビル
ソフトイーサ株式会社
戦略推進室
広報担当 原 哲哉
電子メール : press-info softether.co.jp
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