他社の既存の専用線・広域イーサネットサービスとの比較
他通信事業者様の既存の専用線・広域イーサネットサービスとを比較したところ、以下に挙げられるように、HardEther
専用線サービスには大きなメリットがあることがわかります。
ここでは、以下の 4 つのサービスを比較・検討します。
なお、いずれも 1 Gbps の契約とします。
- HardEther 専用線サービス (専用網)
- NTT 系広域イーサネットサービス (共有網)
- NTT 系専用線サービス (専用網)
- KDDI 系広域イーサネットサービス (共有網)
1. 「月額料金」の比較
専用線や広域イーサネットサービスの選定にあたって、月額料金は重要な要素となります。月額料金が 20 万円異なるだけでも、年間の料金の合計は
240 万円も違ってくるためです。 比較条件
4 つのサービスについての月額料金の比較は、2 拠点を 1 Gbps の回線で接続することを前提とし、以下の 3 通りの条件で行いました。HardEther
サービスのサービスタイプは、「シングルタイプ」を選択しました。また、他通信事業者様の他サービスについて、県間について 2
拠点間の距離によって条件が異なる場合は、40 km 以内と仮定して計算しました。
- 近距離: 2 拠点が両方とも同一の市または MA (NTT 等の料金単位) にある場合
例として:「茨城県つくば市天王台」と「茨城県つくば市研究学園」の 2 箇所
- 中距離: 2 拠点が別々の市または MA であるが、同一の都道府県内にある場合
例として: 「千葉県浦安市美浜」と「千葉県船橋市習志野」の 2 箇所
- 長距離: 2 拠点とも別々の都道府県にある場合
例として: 「東京都千代田区大手町」と「埼玉県草加市吉町」の 2 箇所
比較結果
月額料金の比較の結果 (各サービスの公式ホームページに掲載されている価格)
を比較したグラフは、以下のとおりです。なお、HardEther の月額料金については、こちらのページからお調べいただけます。
上記のグラフで明らかなように、HardEther 専用線の月額料金は、2
拠点が近距離・中距離・遠距離のいずれの場合でも、他社のサービスと比較して大幅に安価であることがわかります。 2.
「通信遅延保証」の比較
通信遅延時間を 1 ミリ秒以下にすることの重要性でも解説されているように、2
拠点間の通信遅延時間は非常に重要な要素です。そこで、各サービスで保証される通信遅延保証の値 (2
拠点間の通信にかかる時間が規定時間以下であることを保証する値) を比較してみました。 比較条件
比較条件は、「1. 月額料金の比較」と同等に、近距離・中距離・遠距離の 3 パターンです。 なお、HardEther
サービスによって保証される通信遅延時間の値については、こちらのページからお調べいただけます。HardEther
以外のサービスで規定されている通信遅延時間の値は、各サービスの公式ホームページに掲載されている値です。
- なお、他社の一部のサービスでは、公式ホームページ等で、「遅延時間」を、「2
拠点のパケットの往復にかかる時間」として定義しています。以下の表では、「パケットが片道を通るのにかかる時間」を「遅延時間」として表記を統一し不公正のないようにするため、「2
拠点のパケットの往復にかかる時間」の値のみが開示されているサービスについては、その値を 2 で割った値を比較対象としています。
- また、他社の一部のサービスでは、そもそも、中継網 (共有網)
部分についてのみ通信遅延時間の保証を行っており、中継地点からお客様の拠点までのアクセス回線部分については保証を行っていない場合があります
(HardEther
はアクセス回線部分についても保証を行います)。このような場合、他サービスとの比較にあたっては、他社サービスのアクセス回線部分では遅延が発生しないと仮定して計算し、他サービスにとって不利のないように表記しています。
比較結果
比較結果は、以下のグラフのとおりです。ただし、「NTT
系専用線」については通信保証時間に関する規定を発見できないため、グラフから除外しました。
上記のグラフでも明らかなように、HardEther 専用線は、2
拠点が近距離・中距離・遠距離のいずれの場合でも、他社サービスと比較して極めて短い時間の通信遅延時間を保証していることがわかります。
特に、通常、同一の市内・同一の県内の 2 拠点を接続する場合、HardEther 専用線では 1.0
ミリ秒以内の遅延で接続できることが保証されます。遅延時間を 1 ミリ秒以下に保つことは、以下のリンク先で示すように、非常に重要なメリットがあります。
3. 「SLA 条件」における故障とみなされるまでの時間の比較
SLA (サービス品質保証制度) における、通信障害が発生してから「故障」とみなされるまでの時間を比較してみました。SLA
における返金の開始は、一定時間通信障害が継続して発生していることが前提とされますので、基本的に、「故障」とみなされるまでの時間は短いほどお客様にとって有利です。
比較結果
比較結果は、以下のグラフのとおりです。
上記のグラフによると、HardEther 専用線の SLA
条件における「故障とみなされるまでの時間」は他社の広域イーサネットサービスよりも 5 分間長くなってしまっています (ただし 1
社のみ、60 分と定義しているため、当社よりも長くなっているサービスがあります)。 したがって、HardEther 専用線の
SLA
条件における「故障とみなされるまでの時間」は、他社の広域イーサネットサービスと比較して若干悪いが、おおむね変わらないということができます。
4. サポート体制 (故障時の修理体制) の比較
各サービスについて、故障が発生した場合の修理 (サポート) の受付時間帯を比較しました。 比較結果
比較結果は、以下の表のとおりです。
サービス |
サポートの受付時間帯 |
HardEther サービス |
原則 営業日・営業時間内のみ対応
(契約約款に明記)
ただし実際には休日・夜間にも対応する場合があります |
NTT 系広域イーサ |
原則 24 時間 365 日間対応 |
NTT 系専用線 |
原則 24 時間 365 日間対応 |
KDDI 系広域イーサ |
原則 24 時間 365 日間対応 |
この比較結果によると、ソフトイーサ社の HardEther
サービスのサポートの受付時間帯は、他サービスと比較して悪いということができます。
- ただし、HardEther サービス (デュアルタイプ) にはバックアップ回線が付属し、現用線が切れた場合はバックアップ回線が利用可能となっています。サポートの受付時間に制限があるというデメリットを、バックアップ回線で一部カバーしています。
365 日間 (年中無休) の保守について
- HardEther サービスにおいて 365 日間の保守をご希望の場合は、契約前にご相談ください。
実費 (別途お見積り) にて提供をさせていただきます。
5. 深夜のメンテナンスによる通信断の可能性に関する比較
他社の広域イーサネットサービスの場合
他社の広域イーサネットサービスは、共有網のため、複数のお客様の通信が、1
つの装置を共有して流れています。広域イーサネットサービスを提供する通信事業者は、1
年間に数回程度、深夜時間帯にこれらの通信装置をメンテナンスするため、通信不能になることがあります。
これらの広域イーサネットサービスのメンテナンスは、通常は 1
ヶ月程度前にお客様に連絡がありますが、それでも重要な基幹ネットワークとして広域イーサネットサービスを利用されているお客様にとっては重大な支障となる場合があります。
HardEther 専用線サービスの場合
HardEther
サービスは、専用線のため、基本的に、定期的なネットワーク全体のメンテナンスはありません。原則として、光ファイバ専用線や通信装置等が故障した場合、または故障する恐れがある場合のみ、装置の交換・設定変更が実施されます。
したがって、たとえ深夜であっても通信の切断が許されないネットワークには、専用線を利用すべきです。 まとめ
上記の 5 種類の比較の結果をまとめると、以下の表のようになります。
比較項目 |
HardEther
に関する評価 |
月額料金 |
HardEther が大幅に優れている |
通信遅延保証 |
HardEther が大幅に優れている |
SLA 条件 |
おおむね同等程度 |
サポート体制 |
他社サービスのほうが優れている
ただし、HardEther
の冗長オプションでカバー可能である。 |
メンテナンスによる
深夜の通信断の発生 |
HardEther 等の専用線が大幅に優れている
(共有網でないため深夜の全体メンテナンスがない) |
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