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通信遅延時間を 1 ミリ秒以下にすることの重要性

HardEther は同一県内の 2 拠点間を 1.0 ミリ秒以下の時間で結ぶことができます。通信遅延時間を 1 ミリ秒以下にすることは、Windows ファイル共有等を使用するためには、大変重要な事項です。

 

通信遅延時間を短くすることはスループットと同等以上に大切です

専用線や広域イーサネットサービスを選定される場合に、スループットのみを重要視されていませんか。

企業で使用される Windows ファイル共有プロトコル等を多用される場合は、時には、「スループットを高速にすること」よりも、「通信遅延時間を短くすること」のほうが大切になります。

 

回線帯域が太くても遅延があれば台無しになる長距離イーサネット

企業の業務でよく使用されている Windows ファイル共有プロトコル (SMB や CIFS と呼ばれます) は、遅延に弱いプロトコルです。もともとこのプロトコルは、同一拠点の LAN 上で高速に接続されている 2 台のコンピュータが高速にファイル転送を行うことができるように設計されたものであり、WAN 環境等、通信遅延が常時発生する環境では、ファイル転送の速度が極端に低下します。

また、Windows ファイル共有プロトコル (SMB, CIFS) 以外にも、TCP/IP のコネクションを 1 本のみ使用するプロトコル (例: FTP や HTTP など) によるファイル転送の速度が、遅延時間がかかるに従って低下します。

 

遅延時間とファイル転送時間の関係 (実測データ)

以下のグラフは、回線帯域が 1 Gbps で、遅延がある回線について、遅延がどれくらいあれば、どれだけのスループット低下が発生するのかという実験を実施し、実測データをもとにグラフ化したものです。

通信速度の測定にあたっては、0.5 ミリ秒以下のデータは非常に長い光ファイバケーブルを用いて光速による遅延を発生させて行い、それ以上のデータについては、スループットはそのまま (1 Gbps) にした状態で遅延のみを発生させることができる装置を用いました。いずれの場合も、スループットは約 970 Mbps 程度が出ることをTrafficServer / TrafficClient プログラムにより確認し、遅延のみが発生している状況で行いました。

 

 

通信遅延時間を 1.0 ms 以下に抑えることが重要

上記のグラフによると、遅延が短ければ、FTP では 818 Mbps、Windows ファイル共有では 476 Mbps 前後の速度が出るところを、遅延が 1.0 ms を超えただけで、FTP では 260 Mbps 前後、Windows ファイル共有では 113 Mbps 程度の速度になってしまっていることがわかります。

このように、遅延が少しでも長くなれば、コンピュータのユーザーが得ることができるパフォーマンスに影響します。日常的に Windows ファイル共有を WAN を経由して使用される場合は、できるだけ WAN 回線の遅延を短くすることが重要であるといえます。

 

通信遅延時間 1.0 ms 以下を保証する HardEther 専用線サービス

他社の既存の専用線・広域イーサネットサービスとの比較 のデータをもとに、HardEther 専用線サービスと、他社の既存の広域イーサネットサービスの、通信遅延時間の保証範囲を、上記のグラフに重ね合わせてみると、以下のようになります。

 

※ 他社広域イーサネットサービスでも 1.0ms 以下の遅延が実現できる場合は
あり得ます (ただしあくまでも保証されているのは 5.0ms 以下です)。

 

このように、他社の広域イーサネットサービスは遅延は 5.0ms 以下であることしか保証されませんが、HardEther 専用線サービスでは同一市内でおおむね 0.5ms 以下、同一県内でおおむね 0.8ms 以下が保証されます。

したがって、業務で Windows ファイル共有プロトコルを多用される場合や、その他の一般的な TCP/IP アプリケーションを使用される場合は、HardEther によって遅延を最小限にすることが望ましいといえます。

  • なお、HardEther サービスによって保証される通信遅延時間の値については、正確な値は 2 拠点の住所によって定まります。こちらのページからお調べいただけます。

 

参考: ファイル転送速度の計測方法

上記の実験グラフにおいて、2 台の Windows Server 2003 Standard Edition 32 bit 版をインストールしたコンピュータ (RAM は 2Gbytes 以上、CPU は Intel DualCore 2.0GHz) を用いて、以下のように測定しました。なお、ウインドウサイズによる影響を避けるため、TCP 受信ウインドウサイズは 5,955,584 bytes に設定しました。

  1. 「FTP」の測定方法
    1 台の PC に FTP サーバー (IIS 6.0) をインストールし、もう 1 台の PC の FTP クライアント (wget コマンド) を用いて 1 Gbytes のファイルをダウンロードし、それにかかる時間を測定しました。ただし、ディスクアクセスによる影響を最小限にするため、データ内容全体がキャッシュに入ることを確認し、3 回同一ファイルを転送して最短の結果を採用しました。
  2. 「Windows ファイル共有」の測定方法
    1 台の PC でファイル共有を設定し、もう 1 台の PC から copy コマンドを用いて 1 Gbytes のファイルをコピーし、それにかかる時間を測定しました。ディスクキャッシュに関する事項は、FTP の場合と同一です。

 

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